2021年に入り、目に見えてイベント業が復活し始めましたね。
私たちがこれまで当たり前だと思っていた仕事場や日々の生活が突如消えて一年。
やっと、やっと、以前の生活が徐々に戻りつつあります。
今年に入り、明らかにイベント案件メールは増え、オンラインだけでなくオフライン案件も来るようになりました。
そうはいっても、まだまだ新型コロナウイルスの影響前に比べると微々たるもの。
少ない案件にたくさんのMC、コンパニオンがエントリーし、競争率はかなり高くなっており、そこから選ばれるのは至難の技。
そんな中、なんとかここで決めて波に乗りたい!少しでも早くイベント業に本格復帰したい!と目論んでいる人は多いはずです。
そこで今回は、イベントMC歴17年、「1年間で最も仕事を取ったMC」として何度も事務所に表彰された私が、17年の経験で得た仕事の決定率をあげる方法を紹介します!
宣材写真とボイスサンプルに命を懸ける

宣材写真とボイスサンプルは仕事決定に最も影響する大切なもの。今の自分にとって最高のデータを用意しましょう!
よく、「宣材写真とボイスサンプルは毎年更新した方が良い」と聞きますが、私個人的には、これはタイミングによると思います。
例えば、新人時代(〜5年)は絶対に毎年更新することをおすすめします。
この頃はまさに成長期。レッスンを受けたり現場を経験するたびにどんどん成長し技術を身につける時期なので、ボイスサンプルも録るたびにより出来の良いものに仕上がります。
宣材写真にしてもそうです。
人って本当に驚くほど「見られることで綺麗になる」生き物なんです。
デビュー当時と、1年目、2年目は別人のように垢抜けします。もちろん年数が経てばたつほど洗練されていきます。
人に見られること、人の視線を気にして行動することにより、整形級に見た目が変化します。
さらに「美しく見られる姿勢」「自分がより魅力的に見える角度」も身につくので、ボイスサンプルと同じように宣材写真は撮るたびにより良い仕上がりになります。
仕事歴が10年、15年を超えると必ずしも毎年更新する必要はないと思っています。
この頃にはしゃべりも安定しているので、毎年更新することよりも「100点満点のものを残す」ことの方が大切です。
例えば、せっかくスタジオを予約して収録&撮影しても、前回の方がクオリティが高い……。なんてこともあります。
そんな時は別に更新する必要なんてありません。
また、「もうこれが私にとってベストな宣材写真&ボイスサンプルだ!」という確信があればしばらくそれを使い続けても良いと思います。
逆に、「私、この一年でまたレベルアップした気がする!」と手応えがある方は絶対に撮り直すべき!
事務所レッスンは参加する

事務所のレッスンに参加する理由は2つあります。
- スキルアップ
- 事務所に対するアピール
ひとつずつ簡単に説明しますね。
スキルアップのための参加
説明するまでもないですが、レッスン受講はスキルアップのためにとても大切です。
ちなみに私は10年間、週2回受け続けました。
「1本の本番を経験した時の成長率は10回分のレッスンに匹敵する」などとも言われますが、本番にはないレッスンならではの旨味があります。
それは、フィードバックをもらえること。
本番中、ほとんどの人が担当者さんに「私の喋り大丈夫でしたか?」「もっとこうした方が良いとか何かご要望があれば教えてください」聞くと思うのですが、その答えは概ね「大丈夫でしたよー!」「特にないです」なんですよね。
本番は報酬をいただいて仕事をする「職場」であり、勉強の場ではありません。(もちろん学ぶことは多いです。)
よっぽどのことがなければ、細かく悪かったところや改善点を教えてもらえることはないでしょう。
レッスン中なら、改善点、無意識の癖など細かく、噛み砕いて分かりやすく教えてもらえます。ものすごく貴重な機会です。
また、仕事用の発声やしゃべりは楽器やスポーツと一緒で、数日使わないだけで鈍ります。
私が10年間お世話になったアナウンス講師は「3日サボったら、戻すのに10日かかる。常に本番さながらにしゃべる場を作ることが大事。」といつも言っていました。
レッスン料は確かに痛いですが、先行投資です。本気で受ければすぐに回収できる金額なので踏ん張りましょう!
事務所にアピールするために参加
仕事を獲得するためにはいくつものゲートをクリアしなければいけないのですが、まず第一のゲートが「事務所内のふるい」です。まず事務所内で勝ち上がらなければいけません。
案件によっては、エントリー希望のMCの中から事務所が数名選んだうえでクライアントに提出することも珍しくありません。ここをクリアできないとクライアントの目に止まることさえないということです。
また、どんな事務所でも所属メンバーの中に「事務所のお気に入り」というポジションがあります。
お気に入りに格上げされたら、格段に仕事が決まりやすくなり、条件の良い案件も回ってきたりします。
ちなみにお気に入りに選ばれるメンバーはこんな子です。
- 遅刻欠勤を絶対にしない
- しっかり仕事をする
- 安定したスキルを持っている
- 人間性が良い
- 真面目で信頼できる
- エントリーが多い
などがあります。
簡単にいうと、仕事面も人間性もどちらも信頼ができる子。
そんなMCは当然事務所に目をかけてもらえます。
レッスンはまさに、上記をアピールするチャンス!
技術も学べて、事務所に自分の存在をアピール出来る場。
現に、これまで全く仕事が決まらなかった子が、頑張ってレッスンに参加するようになった途端にどんどん仕事が決まりはじめたというのはよくある話です。
もし、なかなか仕事が決まらないと悩んでいる人がいたらレッスンに出ることをおすすめします。
クライアントへのアピールと同じくらい、いやスタートラインに立つという意味ではそれ以上に事務所へのアピールは重要です!
エントリーメールは渾身の1通を送る

案件メールに対する返信内容は事務所によって少しずつ違いますが、おおまかにいうと、「佐々木舞です(名前)。決定優先でエントリーお願いします。」でエントリー完了です。(事務所によっては案件名、本番日などを入れないければいけない場合も。)
このエントリーメール、必要最低限のことだけ打って返信している人は、めちゃくちゃもったいないことをしています。
そのエントリーメールで決定確率を上げる方法はこちら!
クライアントが私を選ぶべき理由を書く
案件内容は無数にありますが、例えばコーヒー関連のお仕事案件がきたとします。
私がもしエントリーするならこんな感じで自己PR分を書き加えます。
お世話になっておりおます。佐々木舞です。ぜひ決定優先でエントリーお願いします。
私はコーヒーが大好きで世界60ヵ国以上でコーヒーを飲み比べしてきました。
美味しいコーヒーがあると聞けば、世界のどこにでも飛んでいきます。
世界で1番美味しいコーヒーに選ばれたコーヒーを味わうためにエチオピアまで行ったこともあります。
家には常時10種類以上のコーヒー豆をストックし、朝起きてその日の気分で豆や煎れ方を変えて飲むのが毎日の楽しみです。
コーヒーがない生活は考えられないほど本当にコーヒーが好きなので、他の誰よりもコーヒーの魅力をお伝え出来る自信があります。
また、ある程度コーヒーに関する知識もあるので、深く突っ込んだ話にもついていけますし、その内容を初心者にも分かるよう、噛み砕いて説明することもできます。
ぜひ、コーヒーの良さをより多くの方に知ってもらうお手伝いがしたいです!
どうしてこの仕事をしたいのか、もし私を選んでくれたらどんなメリットがあるのかを自分の人柄ややる気もついでに分かる書き方で付け足します。
より具体的に、簡潔に(事務所が抜粋&コピペしやすいように)書くのがポイントです!
さりげない一文を見逃さない
時々見かけますが「ハードなスケジュールになる可能性あり」と書かれていたら、必ず、「○○な理由で体力はあるので問題ないです」と書き足してエントリーします。
ー例ー
学生時代はずっと剣道部に所属し、現在もマラソンが趣味なので体力には自信があります。ハードスケジュールでも全く問題ありません。
わざわざ「ハードなスケジュールになる可能性あり」と書かれているということは、クライアントがそこに不安や心配を感じているから。安心させられる(問題解決)のは好印象になります。
他にも「臨機応変に対応できる方」「コミュニケーションを上手に取れる方」などをよく見かけますが、どれも同じ理由で「問題ない旨とその理由」を分かりやすく簡潔に追加記入しましょう!
その案件のためだけのボイサンを録って送る
これはなかなかめんどくさいのですが、効果はてきめんで決定率は爆発的に上がると思います。
そしてこれをやられると、やっていない人はもう勝ち目がないのであまり教えたくないのが正直な気持ちです。(笑)
具体的に説明しますね。
これは、エントリーする案件内容にあったボイスサンプルをわざわざこのためだけに録ってエントリーメールに添付する作戦です。
例えば、たまに案件メールに「参考資料」「昨年の原稿」などがついていることがありますよね?それを読んだボイスサンプルを作るのです。
もちろん、メインのボイスサンプルみたいに編集する必要もBGMをつける必要も、考え抜いた自己紹介を入れる必要もありません。
メインボイスサンプルのプラスアルファで添付されるので、単純に「自分の名前+原稿読み」のみ&スマホ録音で大丈夫。
先ほども書きましたが、これをされてしまうと普通にエントリーした人たちはほぼ勝ち目がなく、多くの場合は、このためだけのボイスサンプルや動画を作って送った人の中から決定が出ます。
例えば、50人エントリーしたとします。
そのうち5人がその案件用のボイスサンプル(または動画)を送ったら、高確率でその5人の中から選ばれるので、倍率はは50倍から5倍に!!!
めちゃくちゃ効果がある作戦なのに、全員がやらない理由はただ一つ、めんどくさいから!
オーディション案件にエントリーする

オーディション案件は、会場までの往復、オーディション時間、ヘアセットやメイクなどの手間暇が大変なため敬遠している人は少なくありません。その分ライバルが少ないので狙い目です。
また、オーディション案件に積極的にエントリーすることで事務所から「お!やる気があるね。」と良い印象を持ってもらえるという嬉しいおまけもあります。
経歴はこまめに更新する

クライアントに提出される私たちのプロフィールには経歴が記載され、選考の際の材料になります。例えば私のページがこちら。
この下にズラーっと今までの私の経歴が書かれています。
経歴・実績は多い方が良いもの。他事務所で決まった仕事などは、数ヶ月に一度まとめて提出し、経歴の更新をお願いしましょう!
SNSは常に仕事を意識する

インスタ、ツイッターなどほとんどの人が使っているSNS。
幸か不幸か、クライアントはプロフィールが上がってきた女の子たちのSNSを結構見ています。
なので仕事に対する愚痴やネガティブ&攻撃的な発言をしないのはもちろんのこと、常に見られていることを意識して運用するとより良いです。
ちなみに私は先日、とあるクライアントさんに「佐々木さんのTwitter見たら、真面目で良い人そうだったから今回は佐々木さんに決めたんだよ。」と言われて驚きました。
「選考の時にTwitterやブログを見たよ」と言われること自体は珍しいことではなく、むしろよくあります。
応用編:SNSを利用してアピール
これは私がどうしても決めたい仕事にエントリーする時に使うテクニックです。
例えば、コーヒー案件が来て絶対に決めたい時は、エントリーしてからしばらくはクライアントにチェックされるのを前提にSNSでコーヒー好きアピールをします。
なんならコーヒーについて書いた呟きをTwitterの固定ツイートにしておきますし、プロフィール文にもコーヒー好きだと書きます。
もちろん、必ず見てもらえるわけではないのですが、少しでも決定確率を上げるためにやります。チェックされたらラッキーです!
仕事が終わったら事務所に報告メール(データ付き)

仕事の終了&報告メールは基本的にどの事務所も決め事にしていません。
しかしこれは絶対にした方が良いです。
事務所の立場からすると、目の届かない場所で仕事を任せているので、どんな感じだったのか、きちんと仕事ができたのか気にならないわけがないのです。
マネージャーが現場に様子を見にきてくれることもありますが、ほとんどの場合は長居ができないので仕事風景のほんの一部しか見ることができません。
なので、仕事が終わったらこちらから報告メールを送りましょう。
- 仕事の感想&手応え
- クライアントやディレクターなどに差し入れで頂いた物やお気遣いいただいた内容
- 困ったことや気になったこと
- 感謝の気持ち
- 自分がステージで喋っている動画や画像
- その他伝えるべき情報の共有
以上の中から、書ける項目を出来るだけ多くピックアップして書きます。①と④は必須です。
⑤の動画や画像は同じ現場に友人がいる場合など、無理なく手に入る時のみでOKですが、そのチャンスがある時は必ず送ります。
事務所に見てもらえるだけでなく、送ることで事務所がデータを保存してくれ、今後似たような現場にエントリーする時にその動画を添付してくれる可能性が大きいからです。
素材は多ければ多いほど良いのでどんどん撮って出来の良いものは積極的に事務所に送りましょう。
しっかり報告連絡をすることで、事務所との信頼関係が生まれます。
事務所に「きちんとした子」という印象を持ってもらえれば、仕事を振ってもらいやすくなります。
これは決して事務所に媚を売る行いではありません。
社会人としてのホウレンソウ、お仕事をくださった方への感謝を伝える行動で、きちんと気持ちを込めて報告連絡をすればその気持ちはしっかり伝わります。
全部やれば絶対に売れっ子になる

もし、今回書いたことを全部やれば必ず仕事決定率は上がります。
しかし、書いた張本人の私でさえ毎回全部実行しているわけではありません。
だからこそなんです!分かっていても全部を完璧に実行できる人は決して多くないからこそ、やればやった分だけライバルを引き離せます。
新型コロナウイルスが落ち着き始め、イベント案件が増えてきた今、このチャンスを掴み波に乗りたい人は、よかったら実行してみてください。
やったもん勝ちで、やったらやった分だけ結果がついてきます。
大丈夫。本当に面白いくらいお仕事決まりはじめますから。
まだまだ厳しいイベント業界ですが、お互い頑張って乗り越えましょう!!
どこかの現場でご一緒できますように。