東京で一番多いMC案件といえば展示会のMCですが、展示会のMCは暗記必須案件がメインです。
MC・コンパニオン事務所によっては「MCは暗記できて当たり前。暗記できないMCは必要ない」と言い切るところもあるほど。
ですが…
私は、暗記が好きなMCに今まであったことがありません。
ステージ上で余裕の姿でプレゼンをしているMCも影では必死で暗記原稿を覚えています。
暗記にはみんな苦労しています。あなただけではありません。
この記事では、これまで200件以上の暗記案件をこなし、最高で橋田寿賀子先生もびっくりのA4用紙約30枚、40分の原稿を一言一句間違えずに丸暗記した私が、暗記のコツをご紹介します。
まずはプレゼンされる側に立つ
原稿が手元に届いたら、覚えるという意識は一旦置いて、その原稿をプレゼンされているつもりで目を通します。イメージとしては、取引先からもらったプレゼン資料をこれから読んで購入するか検討する側の立場になりきる感じです。
暗記のいちばんの近道は、一旦暗記を置いといて、ちゃんと内容を理解すること。焦りは禁物!
暗記作業のスタートは遅れますが、この方法が結果いちばん早く、そしてストレスも最小限に覚えられます。
最初から覚えようとすると内容が頭に入りにくいです。
声を出さずに中身を理解することに集中して黙読します。
誰かに紹介してみる

原稿に書いてある内容を要約して知人に紹介してみます。
自分が内容をどれだけ把握しているか確認できますし、口に出すことで理解が深まります。
私は一人暮らし期間が長いので、いつもうちにあるぬいぐるみ相手にこれをやっています。笑
上手に説明する必要も、かしこまって喋る必要もありません。気楽に友達に喋るような感じで問題ありません。
この行動の目的は、アウトプットすることで理解を深めること、理解しているかの確認作業だからです。
細かく区切って覚える
原稿の内容をしっかり理解したら、やっとここで暗記作業に入ります。
暗記範囲は、細かく区切って覚えることをおすすめします。
私は大体ですが、いつも1文〜2文ずつ覚えています。
展示会の原稿の長さはは大体5分から10分。
大きく区切るとパートごとの暗記に時間がかかって「できなかった。また忘れた。」と考えてしまいます。ネガティブな気持ちになると集中力も暗記力も落ちます。それなら1〜2文ずつ覚えて「できた!噛まずに読めた!」とポジティブな感情を繰り返した方が暗記力も上がります。少なくとも私はそう感じます。
暗記は時間がかかります。疲れたり集中力が切れやすいのでできるだけ自分で自分の機嫌をとってあげながら暗記作業をしていきましょう。
パワポ画像にヒントを探す
展示会のMCの場合、基本的にパワポの画像に合わせてプレゼンをするスタイルが主です。
よほどのことがない限り、送られてきた原稿には当日使うパワポの画像も載っています。
そのパワポ画像には私たちが覚えるべき原稿の内容が凝縮されているので、必ずヒントや、原稿にも記載されている大切なワードが書かれています。
本番はそのパワポを見ながらプレゼンをしますので、先にヒントを探しておくと安心感が違います。
私たちにとってパワポ画像はカンペのような存在です。
口だけじゃなく耳からも覚える
スマホに暗記原稿を読んでいる自分の声を録音します。
それを聞いて耳からも覚えます。
原稿暗記は原稿を広げる必要があるのでどこでもできるわけではなく、場所を選びます。
ですがスマホに録音しておけば、移動中や休憩中でも原稿を耳で聞きながら覚えることができます。
なかなか原稿が送られてこず、予定より暗記期間が短くなることなんでしょっちゅうです。
そんな時間がない時にどこでも暗記作業ができるこの方法は効率的です。
私は毎回必ずやります。
録音することで自分の喋りを客観的に聞くことができ、それにより間違ったアクセントや変な喋りのクセなどにも気づくことができるので一石二鳥!
間違える癖がついた箇所はひたすら書く!
暗記をしていると、どうしても苦手な箇所が出てきます。
なぜかある場所だけ何度も何度も詰まったり、噛んだり、間違えたり。
何度やってもそうなる箇所は、書きます!
殴り書きでいいです。口は間違える癖がついてしまっているので、「書いて覚える」という違う方向から脳に働きかけます。
本番をイメージして喋る
暗記って本当に繊細な作業なんです。
どれだけ頑張って暗記していても、環境がガラッと変わることでせっかく覚えた原稿の記憶がハラハラと音を立てて崩れてしまうこともあるし、イレギュラーの動きをした瞬間にそれ以降の原稿の記憶がスパッと吹っ飛ぶこともあります。一瞬だけ他のことに意識がいった途端に嘘のように頭が真っ白になることもあります。
どんなベテランMCでも必ず一度はその経験があります。
私も何度もありますが、あの血の気の引く感覚…。ほんっとうに嫌ですよね。
覚えた原稿を家で口にするのと、ステージで口にするのは気持ちも全く違います。
リハーサルの時に「家ではできたのに、どうしてできないの!?」とならないよう、リハ前日には、本番と同じテンションで喋っておきます。
その時に、できるだけ展示会で喋っている自分をイメージして本番のつもりでやります。
そうすることでリハや本番でも焦ることなく、落ち着いてプレゼンができます。
暗記現場で大切なのは心を落ち着かせることです。
うまくいかなかったら、焦らず、自分を責めず、深呼吸。
大丈夫。苦労して覚えた原稿はちゃんと頭に入っています。
あとは上手に頭の中から引っ張り出すだけ。
落ち着けば簡単なこと。大丈夫。
まとめ
暗記は誰でも苦手ですし、気が重いです。
あなたが特別記憶力がないわけでも、精神力が弱いわけでもなく、みんな一緒です。
ベテラン勢だってずっと苦労し続けるのが暗記です。
だけど、焦らず、ネガティブにならず、リラックスすればきっと大丈夫。うまくいきます。
暗記現場は準備は大変だけど、逆に覚えさえすれば本番ではただそれを喋るだけなので本番は楽です。
それに何より、お給料が高い!笑
頑張りましょう!