お仕事

フリーランスMCが受けた新型コロナウイルスの影響

東京を拠点にフリーランスMCとして活動しているMaiです。
私の収入源のメインはイベントMC業なのですが、新型コロナウイルスの影響でそれはもう大打撃を受けており、かれこれ1ヶ月以上まったく仕事がない状態です。
イベント業界に身を置いて15年になりますがこれほどのピンチは初めてです。

新型コロナウイルスで大打撃を受けたイベント業界

新型コロナウイルスの影響で政府が少しづつ自粛要請の範囲を広げていますが、イベント業界に自粛要請が出たのはかなり初期。

2月の半ばごろから、既に決まっていたイベントのキャンセルがちょこちょこと出始め、3月に入ると毎日のようにイベント中止の連絡が入るようになり、今ではほぼ全てのイベント案件がキャンセル。それどころか、今後のイベントの仕事の見通しが立たず、少なくても1日10件以上送られてきていたイベントのお仕事募集メールも全然届かなくなりました。

関東で活動しているイベントMC、イベントコンパニオン、おそらく千人近い女の子達がが一斉に職を失いました。

フリーランスMCの現状

コロナウイルスの影響が日本に出始めてからの影響を時系列でお伝えします。

2月下旬:初めてのイベントキャンセル

私の最初のキャンセルは2月末の展示会のお仕事。
この時はまだ「展示会自体は開催するけど、出店は各メーカー(ブース)の判断に任せる」という状況が多くて、同じ展示会でもキャンセルが出た子、予定通り仕事がある子、3日間開催予定が2日目でバラシ(中止)になった子などさまざまでした。

幸いにも私はこの時までまだ一度も現場キャンセルが出ておらず、新型コロナウイルスの影響もそこまで重くとらえていませんでした。
しかし2月下旬のある日、翌日からの展示会のお仕事のため、事前リハーサルに向かっている電車の中でついに私にも連絡がきました。

すみません。明日からのMC現場が急遽なくなりました。リハに向かっていただいて大変申し訳ないのですが今日はこのまま帰宅してください。

ここまでギリギリのタイミングでのバラシには驚きましたが、周りのMC友達も数人、同じ展示会でキャンセルが出ていたのでついに私にもきたか、という感じでしたね。
ちなみにこの現場は、新型コロナウイルスの影響でバラシになった現場の中で唯一、キャンセル料100%が出ました。

3月:嘘のように仕事がなくなる

2月末のキャンセルを皮切りに、決まっていた現場が次から次にバラシに。
イベント自粛のニュースが頻繁に流れた3月半ばには、決まっていた全ての現場がバラシになり、仕事がゼロに。

さらにはすでにエントリーしていた現場も中止の嵐。
このようなメールが毎日立て続けに送られてきました。

キャンセルメール

仕事キャンセルメールイベント業界に15年いますがこんなことは初めてです。

ポツポツとイベントキャンセルが出始めた2月半ば頃、「まぁ、これ以上現場が悪化することはないだろうし、すぐにもと通りになるでしょ。」とのんきに笑っていたのが嘘のように、すごいスピードでどん底まで落ちていきました。あっという間でした。
現場に焦って新しい仕事にエントリーしたいと思っても、新規案件のメールが劇的に減り、エントリーさえできない状態に。

周りには、一時的にアルバイトを始めた子が目立ち始め、ついには生活ができずにイベントの仕事を辞めていく女の子たちもで出てきました。

4月:新しい仕事が決まらない。自粛の終わりが見えない

イベント自粛が始まった頃は、1ヶ月もすれば落ち着くだろうと気楽に考えていたのに、状況は良くなるどころか悪くなる一方です。
お仕事案件もイベントMC案件は相変わらずほとんどなくて、わずかにインフォマーシャルやナレーション案件が送られてくる程度。しかし、ほんの少ししかない案件にたくさんのMC、ナレーターがエントリーするので競争率が上がりなかなか決まらない状態です。
今のところ、4月も5月も1つも現場が決まっていません。

このまま決まらなければ3月〜5月の3ヶ月間、お仕事がゼロになります。

リアルな給料事情

騒動初期から影響をモロに受けたイベント業界の悲惨な現状をぶっちゃけて書きます。

2月:いつも通り

2月のキャンセルは一件だけで、しかもキャンセル料が100%だったので影響なし。
イベント業界はだいたいどこもお給料は翌々月振り込みなので4月までの給料は変わらず入ります。

3月:マイナス40万円以上

書くだけで精神的ダメージが…。
3月は現場も多いので決定がたくさん出ていましたが全てキャンセル。
キャンセル料は最高で30%、少ないところで2000円でした。
3月に働いた分は5月振り込みなので5月はほぼ収入無しが確定しました。

4月:現時点では収入0円

2月中旬からイベント自粛の流れが続いているので、キャンセルというよりイベント案件自体があまりなく、現時点では今月はまったく現場が決まらなかった(エントリーすらほとんどできていない)ので、このままでは6月の収入は0円です。

このままいくと、5月、6月と2ヶ月連続でMCとしての収入はゼロになります。

高収入な仕事のリスク

イベントMCは他のお仕事に比べてお給料が高いです。
単価は現場やスキルによって変わりますが、例えば私の場合、月に6.7回現場に入れば1ヶ月生活できるくらいの収入を得ることができます。

ぶっちゃけ割のいい仕事だと思っていたので、まさか自分の身にこんなことが起こるなんて想像もしていませんでした。

高収入で、スケジュールも自由で、可愛い衣裳も用意してもらえて、大事にされて、華やかで…。

冷静に考えればノーリスクでこんなに都合のいい仕事があるわけないんですよね。
フリーランスのリスクを今更ながら痛感しています。

私たちの仕事は、自由な分、保証がない。
高収入だけど、その分、一件現場がなくなるだけで大ダメージ。
華やかだけど、その分、洋服、美容室、メイク、レッスン料と維持費がかかり、思ったより貯金も増えない。
そして、フリーランスだからいざという時に誰も守ってくれない。
自分の力でなんとかするしかない。

今後どうするか考える

今回学んだのは、フリーランスで生活する上で、収入を得る方法をひとつしか持っていないのはとても危険だということ。

私は幸いMCだけでなくWebライターの仕事があります。
今、このコロナウイルスのピンチを乗り越えても、また次に何が起こるかわかりません。

とりあえず今は仕事はないし、自宅待機が推奨されていて時間は沢山あるので、このタイミングにMCとライターの収入を5:5にしてリスクヘッジできるよう改めてライティングのお勉強中です。

近々、新型コロナウイルスの影響に関するフリーランスの救済措置や補償について調べるつもりなので良い情報があったらシェアしますね。

長くなりましたが、イベント関係の皆さん、もう少しで状態は良くなると信じて、お互い耐え忍びましょうね!